7カ月に入った。

ますますお腹が出てくる。

ふくらみが胸のすぐ下まできていて、どうも胃が圧迫されてるらしく、

最近食べるのがとても遅い。一人前食べれるけど、一気には入らないようで、ゆっくりしか食べられない。

それに、横になると胃酸が逆流するのか、時々チリチリと焼けるような感じが喉をのぼってくる。不快。

着る物にも不都合が。手持ちのパンツ類、こないだまではボタンをあけたままにすれば入るものも多かったのに、ほとんどがチャックも上がらない状態になった。

1本だけ持っていたデニムは、もともとかなりゆるいものだったので、一応まだ履ける。でもボタンはとめられず、チャックも途中までしか上がらないので、ボタンホールとボタンにゴムをひっかけて履いている(笑)。

スカートにいたってはほぼ全滅。ウエストがゴムのものも、苦しくてはけないことが多い。

それから、当たり前かもしれないが、とても疲れやすくなった。

ダンスにも、いつまで行けるのやら。

彼はあまり行かせたくないようだ。そりゃまあ、けっこう動くし、スタジオまでの道のりも長いし、ダンスシューズはヒールが高いし、・・・心配してくれる気持ちはわかるし、ありがたいと思う。

彼以外にも何人かの人に「ダンスなんかして大丈夫なの?」と言われたが、

まあ確かに多少くたびれるし、踊っていても「体が重い」と感じる。けれど今はまだ、適度に体を動かせる心地よさのほうが勝っている。会社を辞めたわたしにとっては、人とコミュニケーションできる数少ない機会でもあるわけだし、できるだけ続けたい。

とはいえ、日に日に身体が動かしにくくなっているのは事実で・・・来月にはもう無理かもしれないなとも思う。


毎日、夕方からごはんを作って、彼の帰りを待ち(だいたい7時半~8時くらいに帰ってくる)、

テレビなど見ながら一緒に食べて、

そのあとはおしゃべりしたりゲームしたり、のんびり過ごす。

たまにはデザートを食べたり。

いちゃいちゃすることもある。

この時間がとても幸せで、すごく満たされていると思うのだが、欲張りで底なしなわたしは、それでも足りずに、夜遅くまで彼との時間を求めてしまう。

彼はいつも優しいが、前からそうであるように、眠い時はテキトーになる。

なんというか、取り繕い方・かわし方がヘタクソになるのだ。

このあいだも、ベッドに移ってからわたしが「ねえ、ちょっとだけいちゃいちゃしたいなー」と言ったら、

彼、「えーっ」と言った。ひどい。

続けて「俺、そんなにできないかもしれないし、途中で寝ちゃうかもしれないし、・・・」などと、くどくど言いはじめる。

それでわたしは悲しくなって、

「する前からそんなに言い訳ばっかりするんだったら、もういいです」と拗ねて背を向けた。

「なんでそんな・・・」と彼が嘆息する。


わかってる。わたしがわがまますぎる。

彼は仕事して帰ってきている。疲れている。眠いだろう。

いちゃいちゃし始めてから眠そうにしてしまうとわたしがまた拗ねるので、それがこわくて、つい先に予防線を張ってしまうのだ。

眠くてわたしの望みにこたえられないなら、うまくかわせばいいのに、彼は眠いとそれができなくなるらしい。

そしてわたしは、それらのことが全部わかっているのに、自分を抑えられないでいる。


朝になって――

一旦起きてからソファで二度寝していたわたしのところに、彼がやってきた。

後ろから抱きしめたり、身体をさすってくれたりした。

ああ、昨日のフォローだな・・・と思う。

もう、そんなの、いいのに。律儀な人だ。

でも彼の手がやさしくて気持ち良くて、うれしい。

「気を遣わなくていいのに」

背を向けたままわたしは言うが、

「ううん、俺がしたいから」

と、彼は模範解答をする。長年わたしのわがままにつきあってきて、確実に彼は学習しているのだった。

そして、なんと最後までしてくれてしまった。

「いちゃいちゃしたい」って別にそこまで求めてなかったのに。

なんだか悪いなあと思い、「ごめんね」と言ったら、

「さわってたら、したくなっちゃったから。俺こそごめんね、お腹張っちゃった?大丈夫?」と言う。


わたしの場合――わがままな心は、それを飛び越えるほどの優しさで受け止められた時、急に「はっ」と我に返ってしまう。

もしかしてこれは、彼が本心からわたしを思ってくれて出たセリフなんじゃないか、と思った。

「きのう拗ねてたし、後々めんどくさいからフォローしとくか」という気持ちからなら「模範解答」だが、

「きのう拗ねて悲しそうだったから、優しくしてやりたい」と自然に思ってくれたのだとしたら・・・・。

うーん。

わたし、相当ひねくれている。彼がかわいそうだ(笑)。