前の続きです。



出産後、少ししてから胎盤が出てきた。

まだぼーっとしてて、見せて下さいと言うのを忘れた。胎盤ってどんなんか見てみたいなと思ってたのに。

ちょっと伸びが悪くて会陰が裂けちゃいました、すみません、と助産師さんから言われ、ドクターがその裂傷を縫い始めた。あーやっぱり破けちゃったんだなーと思う。傷自体の痛みは感じていなかったのだが、縫合は、麻酔してくれたはずなのにちくちくとけっこう痛かった。しかしなぜ助産師さんが謝るのだろうと不思議だったが、おそらく助産師さんのリード次第では破けないで済むこともあるのだろう。まあわたしは自分で「破けてもいいや」と思っていきんだので、助産師さんのせいではないと思うけど(笑)。

生まれたての息子は、(たぶん軽く体を拭かれたあとで)カンガルーケアということでわたしの胸の上に乗せられた。うつぶせは危ないので、少しの間だけだが。

初めて触れる赤んぼは、小さくて湿っぽくて、頭がしっかり重かった。

・・・と、そのとき、ぴしゃーっと水にぬれる感触が広がった。病院の寝巻がびっしょり。息子がおしっこしたのだった。

「20gくらい減っちゃったかもね」とスタッフの誰かが笑って言った。まだ体重を測る前だったのだった。


測った体重は2736g。本当は2750くらいだったのかな(笑)。直前の検診での推定体重とだいたい合っていた。前々回の検診の時は3000越えと言われたから、けっこう誤差があるみたいだ。

出生の時刻は、午後7時53分。結局、病院に入って2時間しかたっていなかった。

陣痛が10分間隔になったのは何時くらい?ときかれ、よく覚えてなかったのだが、彼とイオンに行った頃にはそんなもんだったかな、と思い、「4時くらい」と答えた。ので、母子手帳に記録される「分娩時間」は、4時間足らずとなった。初産婦としては、かなり短い。スピード出産で、安産。しかも予定日ぴったり。素晴らしいことだ。


出産が終わってしばらくすると、体がガタガタわなわなとひどく震えだした。筋肉が疲れたのだろうか。

それと、きつめの生理痛のような痛みがあった。子宮が収縮しているからだという。けっこう痛い。

夕食あっためてもらうね、と言われる。そういえば手配してもらってて、ちゃんとLDRに運んでくれてあったのに、食べるどころじゃなくお産が進行したのでそのままだったのだ。

まだ起き上がってはならないので、食べさせてもらってください、とのこと。

天ぷらやみそ汁、野菜の煮物など。

彼が口に運んでくれる。介護されてるみたいでなんだか恥ずかしい。

母親に電話して、生まれたよー、と報告する。えっ、もう? という感じだった。それにわたしが疲れ切った感じでなく、普通の声で電話してきたのでびっくりしたみたいだ。

縫合が終わってから、産褥ショーツにでっかいナプキンを敷いてはかせてもらっていたのだが、

そのナプキンの中に、でろでろと血が出ているのがわかった。

助産師さんがそのナプキンをとって持っていき、「出血の量を見ます」と言う。たぶん重さを量っていたんだと思う。で、「出血量が多い」とのことで、子宮を収縮させる点滴を2袋も使うことになった。

生まれたばかりの息子は、ビタミンK?のシロップ(栄養の中で、これだけは母乳に含まれていないのだそうだ)を飲ませてもらったり、少し体温が低いということでわたしの腕に包んで寝かせてあたためたり、初乳を飲んだりした。

初めての授乳。思っていたよりはるかに吸う力が強い。痛いくらいだった。

少ししてから母が戻ってきて、まだ起き上がってはいけないわたしのかわりに、彼と交代で息子を抱いたりしてくれた。

助産師さんもナースさんもなかなか戻ってこなくなった。他の出産がバタバタと続いたらしい。救急扱いのもあったみたいだ。そうとう忙しかったようで、入院する部屋に連れて行ってもらうのが真夜中になってしまった。

その前にナースの人に付き添われてお手洗いに行った。「痛いと思うけどがんばってしてみて」と言われたのだが、本当に本当に痛かった。縫った傷にしみているらしい。この痛みは結局1週間くらい続いた。用を足すたびにひどく痛むというのはかなりのストレス。

なんか、痛いことばっかりだなあと思う。縫合も痛かったし、子宮収縮も痛いし、授乳も痛い。産んだら何もかも楽になると思っていたのにな。


入院の部屋は二人部屋だが、カーテンでしっかり仕切られていて、ただ出入り口のドアを共有しているだけという印象だった。

この病院は母子同室なので、息子といきなり二人きりにさせられる。授乳の仕方も抱き方もよくわからないまま、入院生活はスタートしたのだった。